遮音性
■遮音性とは
遮音性とは、室外から室内へ侵入する音、室内から室外へ漏れる音をどれぐらい遮ることができるかを表す性能です。室外の騒音レベルから、ドアセットの遮音性能値を差し引いたものが、およその室内の騒音の大きさとなります。(人間の耳が感ずる音の大きさとほぼ同じ大きさで表示される騒音計で測定した場合。)

■遮音環境の目安
断熱性
■断熱性とは
断熱性とは、熱の移動をどれくらい抑えることができるかを表す性能です。熱は、高温側から低温側に移動し、両側が同じ温度になったとき、移動が停止します。冷房や暖房を使用する際に、熱は、外気との間にある窓、壁、天井などを通して、対流、ふく射、伝導によって常に移動が行われています。断熱性は、熱貫流率(U値)を基準とした等級で表します。熱貫流率(U値)は、内外空気の温度差が1℃あるとき、1㎡当たり1時間につき、何Wの熱が移動するかをいい、単位はW/(㎡・K)で表します。熱貫流抵抗は、熱貫流率の逆数(R=1/U)で、単位は㎡・K/Wで表します。

■断熱性の等級
断熱性には、JIS A 4702 2015 の規定により、下表の等級が決められています。
等級 | H-1 | H-2 | H-3 | H-4 | H-5 | H-6 |
---|---|---|---|---|---|---|
標準化(された) 熱貫流率 |
4.65W/㎡・k | 4.07W/㎡・k | 3.49W/㎡・k | 2.91W/㎡・k | 2.33W/㎡・k | 1.90W/㎡・k |
判定基準 | 標準化(された)熱貫流率が等級との対応値以下 |
■断熱性の試験方法
JIS A 4702 2015 にサッシ・ドアセットの断熱性試験方法が規定されています。
面内変形追随性
■面内変形追随性とは
面内変形追随性とは、地震などの外力により枠に変形が生じても戸の開放が可能であるかを表す性能です。面内変形追随性は、片開きドアセットの高さ寸法に対する上下枠の面内変位の度合いで表します。
■面内変形追随性の試験方法
JIS A 1521に片開きドアセットの面内変形追随性試験方法が規定されています。試験方法は、ドアセットを取り付け、所定の面内方向から変位を与え、解錠および戸の開放ができるかを確認します。
■面内変形追随性の等級と性能
JIS A 4702のスイングドアセットのうち耐震ドアセット(片開き)にのみ適用され、等級と性能(判定基準)が下表のように規定されています。
等級 | 面内変形角 | 性能 |
---|---|---|
D-1 | 1/300ra d | 開放ができること |
D-2 | 1/150ra d | |
D-3 | 1/120ra d |

対震仕様
■HKT仕様
ドア枠が変形し扉が傾いた場合、扉と上枠のクリアランスが6mmあるため、扉幅823mmとすると、ドア枠の変形角1/137まで接触しません。また、エッジ部は側圧を受けた場合、弾性変形によって接触抵抗を軽減する構造になっています。

対震&指はさみ防止仕様
■KTF仕様
中心吊りのピボットヒンジを使用していますので、ドアと枠の間に指が入りにくいようになっています。もし、指が入った場合でも、ドアと枠のクリアランスを14mm取っていますので、大事故にはなりにくくなっています。また、下図に示していますように、KTF仕様は、その枠形状から、枠開口寸法=有効開口寸法になっています。
